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  • 執筆者の写真翔 山﨑

進学率の神話を疑え



世界中で膨大な予算が子供の進学率の向上に注がれています。日本でも例に漏れず、教育資金は年々高まっており、子供の教育のことを考えると、何人も子供を持つことができない、と考える方も多いようです。





しかし私は、前々からこの傾向に疑問を持っていました。大学へ進学し、専門知識を深め、学業を探求する人は確かにある一定の割合必要でしょうが、大学自体が学力の向上に貢献しているとは思えないのです。

自分も大学生だったから分かりますが、日本の大学は入るのは難しいですが卒業するのは授業さえ受けていればほぼ確実に卒業できます。卒論がない大学もあります。そもそも一生でまともに論文を書いたのは卒論だけ、というのが大抵の大卒者ではないでしょうか?


大学はいわゆるシグナリング機能、つまり企業が人材のフィルタリングをすることがその機能だと主張する方もいます。それであれば、大学入学試験だけが重要で、4年間も無為な時間(もちろん医師や研究者などになる人には有益。しかし博士課程まで行かなければ意味がない)を社会から奪うことは、本当に社会に有益なのでしょうか?


私がこれを不可解に思っていたのは、大学への進学が神話化され、進学率と賃金の相関関係を説明している人に会ったことがないからです。しかし政府のデータベースを見れば、進学率と賃金のデータは容易にそろいます。

下のグラフは、私がエクセルでパパっとつくったものです。5分もかかっていないと思います。



私が生まれた1981年から、高校に入学した1996年くらいまで、確かに進学率の向上が賃金上昇に少なからず寄与したように見えなくもありません。

ただ1981年から1991年まで、進学率はほぼ横ばいなのに賃金は向上しています。

つまり進学率と賃金が相関しているように見えるのはわずか5年程度で、賃金にはむしろほかの要因の方がはるかに大きいということが推測されます。


それは景気であったり、グローバル化であったりしたかもしれませんが、いずれにしてもそれらの要因に対して進学率は無力だったのです。こと賃金にとっては、ほとんど何の助けにもなっていません。

これはなぜなのでしょうか?私は進学率の神話によって、労働力が適切に分布していないからだと考えます。

次の図は、国の労働力調査による業種別の従業員不足の推移です。




全産業人手不足ですが、足りていないのはぶっちぎりで建設業で、サービス業や製造業、卸売業や小売業はまだいくらかましです。


また、下の図を見ていただければ、人手不足の上位10業種はことごとくエッセンシャルな分野で、大学進学が必須なホワイトワーカーという感じではありません。




我々は進学率の神話を疑い、子供たちの未来のために何が一番重要なのか、思考停止せずに考える必要があると思います。




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