クリスマスも終わり、今年も残すところあと数日ですね。
怒涛のような2022年でした。
3年目のコロナ禍となった本年は、年明け早々にロシアがウクライナに進行して騒然となりました。
そこから海外はコロナどころではない、というムードになり、ワクチンの普及もあって、ようやくコロナの喪が明けました。
世界中で人とモノが動き出すと、コロナで物流システムが壊滅していたために、特にアメリカ発のインフレが世界を席巻しました。
アメリカの中央銀行にあたるFRBは、インフレ退治の為に利上げを断行し、対ドルで全通貨が暴落。円も歴史的な水準まで暴落しました。
エリザベス女王が崩御したばかりの英国では、新政権が市場に嫌われて1ヶ月で崩壊。遂には金融緩和の本丸、日銀すらもその政策転換を余儀なくされました。
コロナ対策の優等生と言われた台湾では、そのコロナ対策への不満を背景に与党が追い込まれ、習近平が3期目を決めて盤石かに見えた中国では民衆の圧力でコロナ対策を全開放し、未曾有の感染者数となっています。
そしてロシア-ウクライナ戦争は、ウクライナの意外な善戦によって西側の支援が充実し次々と占領地を奪還。ロシアに近い国々が一気に不安定となり、ロシアを支援するイランと仇敵イスラエルも激しい鍔迫り合い。
ロシアは市民インフラを爆撃しながら、戦争は次年に持ち越しとなりそうです。
一方日本では安倍晋三元総理が凶弾に倒れる中で岸田政権が誕生。戦後安全保障政策の大転換が起こりました。
いや本当に、こんなに色々起こった年があったでしょうか?
しかもこれはまだ表面で起こった事を書いただけです。テック系で起こった事をもう少し続けます。
ロシア戦争はさながら夢の終わりを予感させました。
ネットフリックスやフェイスブック(メタ)、アマゾンの決算が振るわず、特にネットフリックスの加入者が純減に転じたことは、人々に永遠に続く繁栄はないという事を思い出させました。
アメリカではFIRE(早期退職)という言葉が流行り、ロビンフッドという投資アプリを使って小口の投資を行うロビンフッター達が話題になりました。
若者は労働市場に帰って来ず、時給35ドルのマクドナルド店員が賃上げを求めてストを起こすという異常事態の中、ついに全自動マクドナルドが登場。
夢を終わらせたのはイーロン マスクでした。
Twitterを買収した同氏は従業員の半数に及ぶ大規模なリストラを展開。
フェイスブックやアマゾンも続き、数万人というテック企業社員が解雇の憂き目に遭います。
ブロックチェーン技術が礼賛され、NFTやDAOという流行に多額のマネーが突っ込まれた結果、世界2位の仮想通貨取引所のFTXが破綻。麒麟児と持て囃されたCEOが逮捕されました。
ディフュージョンモデルが確立した年でもあります。AIによる創作活動です。それはイラストから始まり、音楽に及び、遂にはテキストにまで到達しました。
今や、人間は、タッチペンが不要になり、楽譜を読む必要がなくなり、コードを書く意味がなくなりました。
偉大な芸術家が一生を賭して生み出す音楽も、量だけならAIが数分で生み出す時代になりました。
ディフュージョンモデルは、どうしたらそんなことができるようになるか、自体をAIが構成しており、もう人間にもどんなプロセスで処理しているのか知覚する事ができません。
まるで知性を放棄していくように見える人間の代わりに、AIが知性を獲得していくかのようです。
さて、では建設業界はどうなっていくでしょうか?
私は、以下の理由から、特に日本の建設業は有望と考えています。
①円安と世界政情の不安定化から日本に工場を建設するメリットが生まれたこと
②工業的にも政治的にも立地に制限がある半導体工場が日本には設置しやすいこと
③工学的にも政治的にも立地に制限がある宇宙関連施設が日本には設置しやすいこと
④ハブ機能を失った香港の次が日本と目され始めていること。
⑤インバウンドの再開でリゾート開発が活況であること。
⑥軍事予算が倍増された為、新増設や既存施設の修繕が産業となること。
⑦EVステーションの需要が本格的に始まること
⑧再生可能エネルギーが不足しているため、まだまだ必要なこと
⑨原発を含む電力設備の新設が必要なこと
⑩そもそも電力系統を強化しないと何もかも全部成り立たないこと
一方で、業界がよくても労働者はどうでしょうか?
他産業のようにAIによって労働者は不要になるのでしょうか?
私は以下のことから、建設業には未来があると思っています。
①建設現場の作業をすべてデータ化してロボット化する事は他産業に比べて処理が重すぎるため、まだ人間が行う余地があること。
②データが重くなりがちなリアルな仕事は人間にやらせた方が処理が早いという傾向は今後も続きそうだということ。
③重機や測量機械を自動化しても、リアルな作業から人間を完全に排除する事はできないこと。
来年も、今年に負けず劣らずの大変化の年になりそうですが、今後とも何卒よろしくお願い致します。
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