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  • 執筆者の写真翔 山﨑

建設業は本当に残業が多いのか?



何度かこのブログで取り上げてきた建設業のネガティブなイメージの中に、拘束時間が長い、時間が自由にならない、というものがありました。


これは本当なのか。今日は建設業は本当に残業が多いのか、を検証したいと思います。


これは、国土交通省の資料です。



確かに、年間所定内労働時間では、建設業は全産業で突出して高くなっています。

しかしながら、これは所定内労働時間に土曜日が含まれているという業界慣習の為と思われます。

実際2007年比では製造業よりも建設業の方が改善幅は大きくなっています。

これは建設業においても週休二日制が普及し始めているため考えられます。

ただ依然数字が大きいことは事実です。

しかし、ここで残業時間を見てみましょう。



所定外労働時間、つまり残業時間においては製造業が建設業を大きく上回っています。これは2009年を景気の底として、アベノミクスで経済が上向き、工場の稼働が増えたという事だと思います。

しかしここで分かるのは、建設業は製造業と比較して所定内労働時間が長く、所定外労働時間が短い、ということです。

つまり労働時間の予見性という意味では、建設業の方が優位と言えます。


建設業の業種ではどうでしょうか?



こちらは同資料内で、建設工事全体と建築工事、土木工事を比較したものですが、建設工事全体の中では、建築工事の休暇日数が最も少なく、土木工事は全体よりもやや休日が多い傾向となっています。

土木工事は天候に左右され、夜間工事でない限りは日暮れが実働限界になりますから、他業種よりも労働時間自体は短くなるのかもしれません。


2024年、改正労働基準法が適用になる


これまで猶予期間が設けられていた建設業の残業規制が来年から始まります。

具体的にはどういった影響があるのでしょうか?

まずは労働基準法における原則を見てみましょう。


・法律で定められた労働時間の限度…「法定労働時間」

⇒1 日 8 時間・1 週間で 40 時間


・法律で定められた休日…「法定休日」

⇒毎週少なくとも 1 回


・建設業は36協定によって残業の制限なし


ということで、建設業は実質、いくらでも残業が出来る状態でした。

これはさすがにまずいということで今回の法改正で以下のように変わります。


・時間外労働→月45時間かつ年360時間が上限。


・臨時的で特別な事情がある場合の「特別条項付き36協定」→「2〜6ヶ月の平均でいずれも80時間以内」かつ「単月では100時間未満


土曜日の出勤は時間外労働と見做されますから、仮に4週すべての土曜日出勤した場合、「月45時間」のうち、8時間X4日=32時間になります。

しかし、この32時間に12か月をかけると、384時間となり、360時間を超えます。

つまり、すべての土曜日に出勤することは不可能になりました。


360時間を8時間で割ると、45日となり、年間出勤できる土曜日は最大で45日間。しかもこの場合一切残業が出来ません。


平日において、月10時間程度の残業が必要だと仮定すると、年間で120時間必要です。

360時間から120時間を引くと240時間、です。

240時間を8時間で割ると30日なので、年間に出勤できる土曜日は30日間ということに。

30日を12か月で割ると、毎月出勤できる土曜には2.7日で、4週6休程度は実現する必要があることになります。


正直、経営側にとっては頭の痛い話ではありますが、倉持建設工業の昨年の実績で、所定外労働時間が360時間を超えているのはわずか1名と、そこまで悪い結果ではありません。その1名も、有給休暇はすべて消化していますから、考え方によってはかなりメリハリの利いた働き方をしていると言えます。


これは、罰則を含んだ規定となっており、違反した場合は「6 ヶ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金」と経営者に懲役刑がつく可能性があるかなり重い罰則となります。


建設業の労働環境が改善されていくことは間違いありません。倉持建設工業としても今後も採用を頑張り、無理のないシフトを組んでいくことは心がけていきたいと思っています。


倉持建設工業では一緒に働くメンバーを募集しています。

興味がある方は、是非下のリンクをクリックしてください。





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